楽曲の構造の種類のことを、「形式」、または「楽式」といいます。
似たような概念に、「フレーズ」があります。フレーズも、非常に短い単位です。しかし、フレーズが演奏上の区分についてであるに対し、動機はあくまで楽曲構成上の区切りを意味します。
実際に書かれた楽譜の中には、楽曲構成の観点から見て、通常1小節で書いているところを2小節に分けて書いているものや、また2小節を1小節で書いているものがあります。したがって、そのような書き方をしている楽譜では、小節数が倍になったり半分になったりします。
a aのように書きます。多少異なっていれば、
a a′のように書きます。大きく異なっていれば、
a bのように違う字で書きます。
a a′から成る大楽節で、aは半終止、a′は完全終止をしています。
A Aのように書きます。多少異なっていれば、
A A′のように書きます。大きく異なっていれば、
A Bのように違う字で書きます。
a a′または
a bとなります。第1の小楽節は完全終止以外でなければならず、最後の小楽節は完全終止でなければならないので、2つの小楽節は同じにはなりません。
A Bのように書き表すことができます。
A - B a a′-b a′ないしその変形の
A - B a a′-b a″もしくは
A - B a a′-b b′ないし
A - B a a′-b cという構成をとります。 いずれも、各大楽節内の第1小楽節は完全終止以外の終止となり、第2小楽節は完全終止となります。すなわち、2つの大楽節は完全終止によって
完 完 A ∥ B ∥ a a′∥b a′∥分けられていることになります。
a b aないし
a b a′または
a b cとなるのが普通です。通常、第1部と最後は完全終止、第2部は完全終止以外になります。すなわち、完全終止によって大きく2部に
完 完 a ∥b a ∥分かれることになります。
二部形式の最初の小楽節が省かれると、この小楽節3部から成る三部形式となります。つまり、a b aの三部形式はA - B a a′-b a′から、また、a b cはA - B a a′-b cから導き出すことができます。
A B Aないし
A B A′または
A B Cになります。大楽節は通常それぞれ2つずつの小楽節から成りますが、その構成は、さまざまなものが考えられます。通常、各大楽節の第1小楽節は、完全終止以外になります。また、第1大楽節と全体の最後は完全終止、第2大楽節は完全終止以外になります。すなわち、完全終止によって大きく2部に
完 完 A ∥B A ∥分かれることになります。
二部形式の後半の大楽節に含まれる2つの小楽節がそれぞれ大楽節となると、この大楽節3部から成る三部形式となります。つまり、A - B a a′-b a′からA - B - A a a′-b b′-a a′が、A - B a a′-b cからA - B - C a a′-b b′-c c′が導き出されます。
A B Aの各部が、単独の大楽節ではなく複数の大楽節から成っている曲の形式を、「複合三部形式」と呼びます。
主部-中間部-主部 A B- C D -A Bとなりますし、各部がすべて三部形式であれば
主部 -中間部-主部 A B A-C D C -A B Aとなります。
序奏-主部-中間部-主部-結尾部
A B A C A D A E A.....A(ここでの大文字の記号は必ずしも大楽節を意味しません)
A B A C A B Aこれは、複合三部形式と非常に密接な関係があります。というのも、次のように考えれば複合三部形式の一種になるからです。
主部 -中間部-主部 A B A- C -A B A
A B A C Aを「小ロンド形式」と呼びます。
提示部(呈示部)-展開部- 再 現 部 第1主題-第2主題 第1主題-第2主題 主調 - 属調 主調 - 主調
(序奏)-提示部(呈示部)- 展 開 部 - 再 現 部 -(結尾部) 第1主題-第2主題 第1主題- 第2主題 主調 -属調等 -さまざまな調- 主調 -主調・同主調
A - B - A - C - A - B′ - A 主調-属調等-主調-さまざまな調-主調-主調・同主調-主調このように、ロンド形式のAの部分をソナタ形式の第1主題、Bの部分を第2主題、Cの部分を展開部に見立てて、同じような調の経過を持たせています。