音の長さは、相対的な長さで示されます。
音の長さを表すには、決まった形の音符を使います。
音符
- 基準となる音の長さを全音符で表します。
- 全音符の1/2の長さを2分音符で表します。
- 全音符の1/4(2分音符の半分)の長さを4分音符で表します。
- 全音符の1/8(4分音符の半分)の長さを8分音符で表します。
- 全音符の1/16(8分音符の半分)の長さを16分音符で表します。
- 全音符の1/32(16分音符の半分)の長さを32分音符で表します。
- 全音符の1/64(32分音符の半分)の長さを64分音符で表します。
- 全音符の1/128(64分音符の半分)の長さを128分音符で表します。
- 全音符の倍の長さを倍全音符で表します。
- 音符の各部位には、次のような名前があります。ただし、「ぼう」と「はた」を合わせて「符尾」と呼ばれることがあります。
- 2分音符とそれより短い音符には「ぼう」が付きますが、それぞれ「ぼう」の付く方向が上の形と下の形があります。「ぼう」が上向きなら「ぼう」は「たま」の右に、「ぼう」が下向きなら「ぼう」は「たま」の左に書かれることに気をつけましょう。
- 8分音符以下の音符には、「はた」が付きます。「はた」は必ず「ぼう」の右に付けます。8分音符から、短くなるに従って、「はた」が1本ずつ増えていきます。
- 「はた」は、次のようにまとめて書くことがあります。これを「連桁」と言います。
連桁を使うときには、おおむね、4分音符の長さを目安にまとめます。読みやすいように、拍のまとまりごとにまとめて書くように心がけられます。
- 連桁であってもなくても、「はた」を手書きするときは、印刷のように太くする必要はありません。
- 五線に「ぼう」のある音符を書くときには、なるべく五線からはみ出さない方向に書きます。上に書いても下に書いても同じになる場合には、通常、下に書きます。
- 同時に2つ以上の音を演奏する場合には、「たま」を縦に重ねます。隣同士の高さ音を縦に重ねようとするとぶつかってしまうので、片方を横にずらします。この場合、隣同士で重なった音のうち、「ぼう」の方向とは逆の方向にある音(「ぼう」が上向きなら下の音、下向きなら上の音)から「たま」を正しい位置に、次を「ぼう」を挟んで反対側に、というようにずらしてゆきます。
- ひとつの五線に複数の声部を書くときは、声部がわかりやすく見える方向に「ぼう」を書きます。2声部のときには、それぞれ上と下に向けて書き、タイなどもそちらの方に書きます。3声部以上のときには、読みやすい方向をその時々で工夫して書きます。
- 倍全音符には、上記の他、縦線が2本のもの、四角い形のものがあります。
- 楽譜上の音の長さを「音価」といいます。
休符
- 音のない時間を表すには、休符を使います。休符は同じ名前の音符に対応し、同じ長さを表します。
- 休符はおおむね、五線の中で、書く高さが決まっています。複数の声部を書くなどで、既定の位置に書けない場合には、ずらされます。全休符と二分休符を五線の外に書く場合には、全休符と二分休符の区別をするために必要に応じて加線を使って書きます。
- 四分休符はのように書かれることもあります。8分休符と紛らわしいので、気をつけましょう。
- 8分休符以下の休符のヒゲ状のもの(休符には、音符のような部位の名称がありません)の数は、音符の「はた」の数に一致します。
- 全休符は、通常、「1小節休み」を表します。4分の4拍子などでは、全休符の長さは全音符に一致しますが、拍子によっては全音符の長さに一致しません。たとえば、4分の2拍子では、全休符の長さは2分音符の長さに一致します。
- 合奏などで、あるパートが数小節以上休むことがあります。このようなパート譜などでは、休みを数小節まとめて書きます。
伝統的な方法では8小節以下のとき、次のように書きます。
この場合、五線の中に書かれた黒い四角形(の組み合わせ)が休符であり、これが休みの小節数を表します。その上の数字に相当する小節数の休みを表しています。実際の楽譜では、このように数字を添えて書かれることがほとんどですが、数字は、読みやすさのために添えられるのであって、楽典上の意味はありません。
最近では、次のような簡単な書き方が使われることが増えています。この方法では、数字が休みの小節数を表します。また、9小節以上の休みを書き表すこともできます。
問題