2分音符−4分音符−8分音符...というシステムは、ある音符を2等分、4等分、8等分...してゆくにはいいですが、それ以外、たとえば3等分、5等分、6等分することはできません。
そのような分割をしたい場合には、連符(「連音符」ともいいます)を用います。
3連符
- ある音符を3等分するときには、2分の1の長さの音符を用いて表し、「3」を添えます。たとえば、4分音符を3等分するには、その2分の1の長さを持つ8分音符と用いて表し、「3」を添えます。
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- 次のように、3連符の範囲を示す「かぎ」を付ける場合もあります。
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- 「かぎ」は次のように、曲線で書かれる場合もあります。
- 数字は上にも下にも書かれます。
- この最後の例の書き方は、スラーと区別が付きません。このような楽譜の場合、スラーの3連符なのか、ただの3連符なのか、読む側が判断する必要があります。紛らわしいので、書くときは避けるべきでしょう。
- また、連符が連続するとき、連続しなくても連符であることが一目瞭然であるときには、連符であることを示す数字が省略されることがあります。このとき、範囲を示す「かぎ」も書かれません。
5~7連符
- ある音符を5~7等分するときには、4分の1の長さの音符を用いて表し、その数字を添えます。たとえば、4分音符を5等分するには、その4分の1の長さを持つ16分音符と用いて表し、「5」を添えます。
- 6連符は注意が必要です。6等分とは、2等分の3等分と捉えることもできるし、3等分の2等分と捉えることもできるからです。
9~15連符
- ある音符を9~15等分するときには、8分の1の長さの音符を用いて表し、その数字を添えます。たとえば、4分音符を9等分するには、その8分の1の長さを持つ32分音符と用いて表し、「9」を添えます。
- ただし、同じ分割が9連符でなく3連符の3連符であるならば、16分音符になります。
音符の分割のまとめ
このように、ある音符を分割するとき、
- 2等分から3等分までは2等分の
- 4等分から7等分までは4等分の
- 8等分から15等分までは8等分の
- ....
音符を使って表すのが原則です。ただし、実際の楽曲では、そのような書き方をしていないこともしばしばあります。そのような場合は、前後関係や他のパート(ピアノなら他の手)を見て、判断するしかありません。
2連符−付点音符の分割
- まれに付点音符を2分割して2連符とすることがあります。この場合、付点音符の元の音符の2分の1の長さの音符(付点音符の3分の1の長さの音符)を使って書き表します。たとえば、付点4分音符を2分割して2連符にするときには、8分音符を使います。
- 付点音符を2分割するには、本当は連符を使う必要はありません。たとえば、付点4分音符の半分の長さは付点8分音符です。しかし、付点音符を2つ並べると2つめが逆付点となりぎくしゃくしたイメージとなると言うような理由で、2連符が用いられることがあるのです。
連符の中の音符の結合
- 連符の中のいくつかの音符がタイで結ばれることがあります。そのとき、タイで結ばれた音符を1つの音符にまとめることがあります。次の譜例の2つは同じリズムです。
連符の中の音符の分割
- すでに、5連符以下の説明の中で出ていますが、連符の中のいくつかの音符がさらに分割されることがあります。
連符の中の音符の分割と結合の組み合わせ
- 連符の中の音符の分割と結合が同時に起こることもあります。場合によっては、付点音符が使われることがあります。次の譜例の2つは同じリズムです。
連符と休符
- 「連休符」というものはありません。しかし、連符の中(はじめ、途中、終わり)に休符を含むことはあります。次の譜例で最後の2つは同じリズムです。
問題
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