テンポとは、拍の速さです。決まった時間内(普通1分で計ります)に、拍が多く打たれれば速いテンポ、少なければ遅いテンポです。速いテンポのときは、1拍の時間は短くなります。
テンポは、速度記号で表されます。速度記号は、普通、イタリア語で書かれます。ただし、ドイツ語、英語、フランス語で書かれることもあります。これらの中で、イタリア語は覚えておく必要があります。
遅いテンポを表す速度記号
- Grave − グラーヴェ − 重々しく
- Largo − ラルゴ − 幅広く(ゆるやかに)
- Larghettto − ラルゴ − ややLargoに(Largoより速く)
- Lento − レント − 気楽に遅く
- Adagio − アダージョ − ゆるやかに
- Adagietto − アダージェット − ややAdagioに(Adagioより速く)
- Andante − アンダンテ − 歩くような速さで
- Andantino − アンダンティーノ − ややAndanteに(Andanteより速く)
語尾に見られる-ettoと-inoは、縮小詞と言い、「ちいさい」「すこし」「やや」を表します。このように語尾の母音を省いてから縮小詞を付けますが、largoの場合は発音と綴り字の規則の関係で、間にhが入れられています。遅いテンポを表す記号に縮小詞が付くと、このように元の速度記号よりも速いテンポを表します。
中庸のテンポを表す速度記号
- Moderato − モデラート − 中くらいの速さで
速いテンポを表す速度記号
- Animato − アニマート − 元気に、動いて
- Allegro moderato − アレグロ・モデラート − やや快速に
- Allegretto − アレグレット − ややAllegroに(Allegroより遅く)
- Allegro − アレグロ − 快速に
- Vivace − ヴィヴァーチェ − 活発に
- Vivo − ヴィーヴォ − 活発に
- Presto − プレスト − 急速に
- Prestissimo − プレスティッシモ − 非常にPrestoに(Prestoより速く)
Prestissimoの語尾に見られる-issimoは、イタリア語の形容詞の絶対的最上級と呼ばれるもので「非常に」を表します。速い速度を表す記号では、絶対的最上級はより速いテンポを表します。一方、Allegrettoの-ettoのような縮小詞はより遅いテンポを表します。
一定のテンポを表すその他の速度記号
- Tempo giusto − テンポ・ジュスト − 正しいテンポ(心拍の速さ、M.M.=80くらい)で
- Tempo di Valse − テンポ・ディ・ヴァルス − ワルツのテンポで (Valseはフランス語)
- Tempo di marcia − テンポ・ディ・マルチア − 行進曲のテンポで
- Tempo di menuetto − テンポ・ディ・メヌエット − メヌエットのテンポで
- M. M.=○ − 1分間に○拍打つテンポで(M. M.はMälzels Metronomの略、メルツェルの発明したメトロノームで目盛りを○に合わせて、と言うほどの意味)
- ○ BPM − 1分間に○拍打つテンポで(BPMはbeats per minuteの略、英語圏、ポピュラー音楽でよく使われる)
=○ −
が1分間に○個打つテンポで
- Più mosso − ピウ・モッソ − 動きをより多くして、これまでより速く
- Meno mosso − メノ・モッソ − 動きをより少なくして、これまでより遅く
- Tempo Iº − テンポ・プリモ − 曲頭のテンポで
- Tempo I − テンポ・プリモ − 曲頭のテンポで
- L'istesso Tempo − リステッソ・テンポ − 同じ速さで、拍の速さを同じにして(4分の2拍子から8分の6拍子へ、その逆、など、1拍を表す音符が変わるときに使われる)
- Istesso Tempo − イステッソ・テンポ − 同じ速さで、拍の速さを同じにして(L'istesso Tempoと同じ)
テンポの変化を表す記号
- ritardando (rit.) − リタルダンド − だんだん遅く
- rallentando (rall.) − ラレンタンド − だんだん遅く
- allentando − アレンタンド − だんだん遅く
- allentato − アレンタート − だんだん遅く
- slentando − ズレンタンド − だんだん遅く
- allargando (allarg.) − アラルガンド − だんだん遅く
- ritenuto (riten.) − リテヌート − そこから遅く
- accelerando (accel.) − アッチェレランド − だんだん速く
- stringendo (string.) − ストリンジェンド − だんだん速く
- tempo rubato − テンポ・ルバート − テンポを自由に変化させて
- senza tempo − センツァ・テンポ − テンポを厳格に定めないで、自由なテンポで
- a tempo − ア・テンポ − 前のテンポで
拍の停止
は、フェルマータと呼ばれ、拍が一時停止することを表します。
- 一般に、この記号は「ほどよくのばす」などとされ、多くの場合にはそのように演奏します。また、ついている音符の2倍くらいに延ばすなどともいわれます。しかし元来はそのような意味を規定しているのではありません。実際にどれくらい延ばすかは演奏者の自由であり、場合によってはついている音符よりも短くなることもあり得ます。
- ritardandoなどが、フェルマータの前に置かれているとき、フェルマータの後にa tempoが書かれていなくても、フェルマータのあとでa tempoするのが一般的な解釈です。
- フェルマータの原意は「止まれ」です。ですから、フェルマータは、この意味の他にも、楽曲の終わりを表すこともありますし、また、この記号の後でブレスすることを表すこともあります。特に、コラールでは、各フレーズの最後の音符にフェルマータが置かれる習慣があります。これは、フレーズの最後を示し、必要ならこの後でブレスをします。必ずしも「ほどよく延ばす」必要はありません。
- フェルマータは音符の下に置かれるとき、上下逆の形になります。
問題